「緑化事業」は、良質な土の確保が成否を左右する。
どれほど高度な植栽技術があっても、
砂地や痩せた土壌では樹木はなかなか育たない。
現在、樹木を植える活動は、多くのグループによって実行されている。
したがって我がグループは、「土作り」を活動の基礎と置き、
既存の植林団体に協力を申し出るスタンスを貫きたい。
![]() 剪定枝葉堆肥の攪拌現場(神奈川県相模原市) |
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意義 剪定枝葉は、果樹園などの農林業の現場ばかりでなく、公園や街路樹からも発生する。世情が安定し、経済が一定の条件を満たした都市であれば、毎日、相当量の堆肥原料が生産されていることになる。一般に落ち葉は腐葉土として重宝されているが、剪定枝葉は緑色の若葉が主体であり、手間暇かけて天然発酵させれば、腐葉土より格段に優れた堆肥になるのである。我々がグリーンコンポストと呼ぶこの堆肥は、粘土質の赤土に漉き込んでいくと、やがて立派な黒土の耕地に変えるほどの力がある。グリーンコンポストをインドシナからインド、アフリカを経てキューバに至る真っ赤なラテライト土壌や、栄養と保水性に欠ける砂漠地帯へ組織的(国家的)に投入し、植栽や耕地化を進めれば、現在悪化の一途を辿っている地球環境に革命的な変化がもたらされるのは請け合いである。 現状は残念ながら、剪定された枝葉は廃棄物、つまり生ゴミとして焼却処分されたり、適当な空き地に投棄されている。しかし、我々e-confは、このネガティブな現実に、希望をいだいた。 製法 グリーンコンポストにはマニュアルを起すほど難解な製法があるわけではない。原料となる枝葉が集まり、これを細かなチップに砕く機械があり、水が確保でき、水はけの良い土壌の上なら、基本的にどこでも作れる。発酵促進資材を用いる場合もあるが、天然に生息する微生物に任せておいても立派な堆肥となる。実際に堆肥が出来るのは微生物の働きであり、人間はあくまでも微生物の手伝いをするだけ、と考えても差し支えない。工程の概要は次の通りだ。 @ まず、枝葉を9ミリ角程度のチップに粉砕する。 A チップを野積みし、天然の微生物に預ける。 B 発酵が始まったら、水分調整と、二三週間に一度のサイクルで攪拌、切り返しを行う。 C 天候や地域差もあるが、日本なら10ヶ月、タイなら8ヶ月で発酵は終わり、植栽現場や耕地へ出荷する。 備考 堆肥の質量は0.6。完成した堆肥の容積は、粉砕したばかりのチップの約三分の一。枝葉を砕いて3立方メートルのチップの山が出来れば、それは出荷時に1立方メートルになるということである。 |
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ラップラオ通りの歩道で回収・投棄処分を待つ有用な「資源」。 ![]() 現時点では、多くの剪定枝葉がパタヤ街道の空き地に捨てられている。 ![]() タイでは廃物利用の発想が徐々に定着しつつある。今後、啓蒙の希望がもてる。 ![]() |
枝葉粉砕機 集積された剪定枝葉をチップにする。大型機械の場合、ハサミユンボも不可欠となる。 |
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ユンボ(バックホウ) チップが堆肥になるまで、攪拌、切り替えし作業に用いる。 |
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ペイローダー 作業現場の整備に用いる。他にも用途が広い重機である。 |
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小規模ユニット 実際に前進基地となる現場では、このような小回りが利く小型機材の組み合わせが重宝されるだろう。 |
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