麗しき悪夢の苑 ワットケーク

ラオス領ワットシェンクアン(ブッダパーク)



 あきれた話しだが、我らがワットケークは、国境のメコンを挟んで、対岸のラオス側にもある。厳密に言えば「ワットシェンクアン」という名前だが、そこは大らかなインドシナ。ややこしい名称を度忘れしても、"ワットケーク・ラオ"とでも言っときゃ充分意志は伝わるはずだ。
 カンガルー橋の国境ゲートを軸に、ビエンチャン市街の反対方向(東側)に位置している。ノンカイのそれに比べて町からかなり遠いが、半日の観光と腹をくくり、タイバーツで200も提示しておけば、トゥクトゥクは喜んでチャーターに応じるだろう・・・








 こちらはランサーン王朝の象徴「三つ首の白象」が門前でお出迎え(上に偉そうに立っているヤシは何なんだ?)。
 




 タイのほうはコンクリートの道がついているが、ラオスのワットケーク回廊は未舗装である。規模はやや小さく、よりゴチャゴチャしているが、悪趣味のレベルは変わらない。
 萬象(ビエンチャン)中華理事会の副理事で、我が保証人でもある蔡瑞才大人の話によると、これらの寺は、"ルアン・プー"が、インドシナ戦争の戦没者を供養するため造営をはじめたとか。シナ人の話は時系列が曖昧なので、よくよく質してみると、1987-88の戦争らしい。・・・とてもそんなに若い寺にも見えないが、蔡さんには、借金取りに追われて
バンコクからラオスに逃げ込んだ時、ノボテルに一ヶ月間、匿ってもらった恩がある。そんなわけで、ここは馬鹿っ正直に口答えせず、白髪三千丈を真に受けておくことにしよう。
 どうせ、インドシナなんだからさ。





全景は意外としょぼかったりする......?



 こんなモノを見て、インドシナの由緒正しき古刹を探訪した、などと有難がる日本人はまずいないだろう。
 私は一度、ここで・・・おお、名前は忘れもしないドルマンセ君というフランス人の大学生と邂逅したが、その英明な哲学的字(あざな)とは裏腹に、若い彼氏はワットケークをして、「自分が旅したなかで、最も魅力に富んだアジアらしい場所」と絶賛しておった。
 こういう不見識なやつに、本国で"アジア"を語ってもらいたくないよなぁ〜。まあ、一部の好事家が満足できれば、それはそれでいいのではなかろうか、とも思われ。

 




 この際、陳夫妻の肖像権も無視してやる。
 どうせ台湾とラオスはスーパー301条に批准しとらんし、没有問題だろう。そして何より、おれは愉快犯の日本鬼子なのである。







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さらにを究めたい向きは、必見...!!




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