日常


 寸分たがわぬ、同じ背景がずらりと並んでいる…

 ホームページに壁紙を挟み込んでいて、卒然と、数日前に夢の中で見た「復元作用」によって塑像された山陰の階段と、もてなしてくれた友人との会話を生々しく思い出した。

 ナナケンがこの世を去り、三ヶ月が経つ。

 これは紛れもない事実だが、おれの深層意識へ介入してきた彼の残像は、何やら重大な啓示を残していったような気がしてならない。

 そして、はたと思った。

 インターネットの世界では、雑多な情報といっしょに、人格までもが信号となって
瞬時に移動し、際限なく拡散していく。

 これは、しばしば仮説として語られる霊のメカニズムと酷似してはいないか。
 夢と黄泉の「互換性」という用語も、ひどく気になる。

 導き出される仮説は、現時点では奇妙奇天烈なものだ。しかし、敢えて披露する。

 精神後進国の浮世もまた、先進国である夢の空間と黄泉の国へ追いつこうとしている。人類は技術の発達とともに、知らず知らずのうちに、常世のメカニズムを解明しつつあるのかも知れない…。



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