「古老」がいなくなった現代日本。

at 2003 09/15 21:11

 敬老の日、というが、最近とみに「クソ爺」と罵りたくなるような真に愛すべき、知恵と見識を感じさせるおっかない年寄りを見かけなくなった。
 かつておれに遠大なオイディプスコンプレックスを抱かせしめたような爺さんたちは、こちらが日本を留守しているあいだに、すっかり死滅してしまったようである。
 代わって台頭してきた官製「敬わなければならない老人」という輩は、どいつもこいつも愛想だけが取り柄で、頼りのない、スクラップばかりではないか。
 頑固さの代わりに若者に迎合した軽佻浮薄。くだらない人命尊重。
 朝日新聞的偽善と自己欺瞞。個人的に割り切れば、ぜんぜん年寄りらしい値打ちなし。これでもって、次に老人となるのが、あのやくたいもない、団塊。
 ああ、こりゃいよいよ宛てにできんぞ。

 斯くなる上は、三十年後、自ら若者から蛇蝎のごとく嫌われる煙たい頑固爺となるべく、これからの人生を精進するとしよう。



じれったい選挙だね〜

at 2003 10/28 20:19

 衆議院選挙が告示されたけふ、何やら北朝鮮関連のニュースが相次いだ。
脱北者と入れ違いに亡命した姐ちゃんとか、かの国への輸出目的でチャリンコを盗んでいた会社の連中とか、まあ、マスコミが瓦解の予想される社民党に仁義を通しているとは思えないが、とにかく日本人のやらかした問題が並んでいた。
 それとも、姐ちゃんのほうの情報が、この時期になってリークされたってことは、地上の楽園なりに考えた、内地鬼にいじめられている下僕に対して試みた援護射撃なのかなぁ。だとすれば、思い切り笑えたので、チャルイッソヨ〜ォ。

 さて、ちょいと真面目に書くか。

 北朝鮮という国家を嫌悪しても、それが在日朝鮮人を差別する理由にはならない。
 三世、四世には、馬鹿丸出しの祖国のプロパガンダに付き合いつつも、覚めた目で世の中を見ようとしている者が少なからず存在しているのは承知しているし、おれは主体思想の狂信者どもが喚き散らす、矛盾まみれのデッチ上げ、冷静な検証能力を欠いた被害者妄想を笑っているのである。

 ・・・ヒキコモリの2ちゃんねらから「おまえも在日ニダ」とやられかねないね。

 おれにだって当然「チョン」や「チャンコロ」の血は多分に混ざっているはずだ。一応脛毛もちょろちょろ生えているので北方人の遺伝子も間違いなく持ち合わせている。ついでに言うと、爺は棺桶に入るまで南方系の顔をしていた。よしいかに徳島に伝わる当家の古文書が慶長年間以降、日本人の名前で族譜を並べていようと、家が興る前の経緯はさっぱり解ったものではない。阿波蜂須賀の家来だったわけだから、豊臣秀吉の兵隊に連れてこられて、侍に取り立ててもらった青磁職人の可能性もあるよな。
 なにしろ両親が二人、爺婆が四人、ひい爺さんと婆さんが都合八人・・・と計算していくと、二十七代だか八代前には祖先が一億人以上になってしまう。
 少なくとも生物学的に観て、「純粋なチョパ〜リ」、いな、「純粋な日本人」などという議論を思いつくこと自体が、ぱかぱかしい。
 ・・・おまいら文句あるか?

 社民党のことなんかはどうでもよろしい。おれがチンポに毛の生えた大人として憂うのは、やはり自民党と民主+自由党の争点である。
 相変わらず、繕縫策としての「景気回復」に主眼を据えており、世の中を達観し、根源思想を樹立しようとする動きは見られない。
 もっとも、おれの自論で言えば、こうした国家目標や戦略を構築するのは参議院の仕事であり、当座の切り盛り、ありていに言って国家の番頭さん的役割を担う衆議院に哲学を備えろ、というのはいささか酷な注文だと思う。

 ただ、現在の有権者の評判も、手段確保という意味で大切だが、せめてひとりくらい、落選覚悟で「百年後の日本人」に向かって政策を呼びかける候補者がいてくれても罰はあたるまい。
 ちなみに、武士というのは、常に自分が子孫からどのように見られるか、を、至上の「見栄」とおき、出処進退を決めたばかりでなく、腹も切った。
 いまの日本で未来を遠望しながら話をする奴はキチガイにされてしまう。但し、「正気」や「常識」は、如何にも安っぽく、希望もない。

 アメリカ追随についても又然り。現代の世界政治の力学を現実認識とわきまえ、国を潰さないためアメリカの意向に従うことは、臥薪嘗胆の故事さえ承知しているなら、それはそれで止むを得ない。平明な生存の方法論だ。
 それでも日本としての自己主張だけは、怠らないでもらいたいものである。

 はっきり言って、おれはアメリカが嫌いだが、連中の独善性にはそれなりの根拠がある、とも考えている。
 アメリカには、およそ地上で発見されているあらゆる人種と民族が星条旗の下で暮らしている。だから多民族国家の構成員である彼らの内面に、自分たちこそ世界の雛形であり、合衆国市民の合意事項が、そっくり「世界の正義」、つまりグローバル・スタンダードとなり得るという信念が生まれたからといって、何ら怪しむには当たるまい。
 若さゆえの、暴走である。
 一方の我々日本人は、単一民族でなく、成熟した混血民族である。
 だから先祖がえりによるブリヤート人の顔とブギス族の顔が当たり前のように居酒屋のテーブルを挟んで、生ビールを呷り、同じ言語と阿吽の呼吸によって人生を論じ合っている。

 混血民族の日本人は、多民族国家のアメリカ人の、二千年後の姿である。

 ついでに指摘しておく。

 それでも混血は幾度も練り直されていくうちにオリジナル化し、オリジナルの血はやがて濃くなり、まま、劣性遺伝の障害を引き起こす。一億総白痴化などというのは、その典型であろう。さすれば生存本能は、新たな血を求め、希釈をはかる。
 だから、どんな民族とであれ、現代日本人の国際結婚は、大いに賛成しておきたい。









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