ウランバートル逍遥(後編)
Mongolia
ウランバートル逍遥
(後編)
モンゴリアンヴァイオレンス ![]() |
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ダバンバダルジャーの日本人納骨堂
”今日も暮れゆく異国の丘に・・・”。夕方訪れたダバンバダルジャーの日本人納骨堂は、この歌詞を地でいくような景観に沈んでいた。近くに山さえあれば、たとえ曇天であってもモンゴルで方角を見失うことはない。樹木が育っている斜面は南側、禿げているほうが北側だからだ。シベリアから吹きつけてくる冬場の風は、畢竟、北の斜面に樹木を育てないのである。ところが納骨堂は、南に面していながら、どこにも樹木が見当たらない、寒々しい斜面にあった。 |
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* ちなみに植林マニアの私としては、日本人納骨堂の周辺に石灯籠でも配し、夜の灯りを地域に提供するとともに、組織的な植栽プランを思い立ったが、「岐阜さくらの会」という団体が国会議事堂の裏手に平成11年、桜の苗木を植えているものの、さすがに樺太と同じ緯度とあって、お世辞にもよく育っているようには見受けられなかった。・・・さて、どんな樹木を植えたら宜しかろう?
ウランバートルの一部住民を除いて、モンゴル人は無愛想である。しかし某「微笑みの国」で、さんざん騙されてきた私には、むしろこういう飾り気のない「仏頂面の国」が新鮮であり、妙な誠意すら感じてしまう。基本的に、モンゴルの人びとは、我々日本人に好意的である。ただ、忘れてならないのは、「歴史・文化認識」の差が生み出した相互不信の問題である。 |
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(了) |
モンゴルで書いたメモ↓ ![]() |
元モンゴル駐日大使
ドルジンツレン博士のこと
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