午後になり、怪しい人種が会場にあらわれはじめる。


池田さんが佐藤さんと立ち話していた。

総領事一行を、浅間神社の博物館に案内しなければならない。

しかし、英語は達者でも、神道や日本の歴史を正確に訳せる
通訳さんとなると、これが実はなかなかいないものである。

いくら何でもね…、私のブルーカラー系タイ語で
解説されたら八千矛の神様が怒り出すだろう。

池田さんが同行した女性は、海外支援協会の関係者で、
そんな面倒な役目をさらりとこなしてくれる才媛だった。

そして、いまひとり…
絵馬奉納行列の再現パレードのため中町側に集まったお歴々を撮っていると
チャチャイさんの笑顔がとまり、「お。誰だ、この香具師は?」みたいな目線。

キタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━!!!!
おもむろに出現した等身大ヤシおやじ。ちゃっかりお歴々の一角に混ざりこみ、
私ばかりでなく、メディアや見物客のカメラの前で余裕のポーズ。


パレードの出陣に際して、陣羽織をまとい、
鬨を上げる自称「総領事」と、クールに査定する本当の総領事。


…で、何故かVIPの両端に野沢くんと池田さん。

海外支援協会。いよいよ以って香ばしい。

パレードの先頭は一輪車を駈るよさこい仕立てのJK風。萌え。

それに続く天使チックな小学生たち。萌え。

さしずめヨターティプ王女たん。萌え。

絵馬を守る屈強な戦士。激萌え。…闖入する和装の鈴木夫人。

そして、

うべかりし長政の夢。張り子の象さんで産土に帰還。
キュウリの馬や茄子の牛でなくてよかった、よかった…


註 静岡県は条例により、公道を猛獣と解釈される本物の象に歩かせることができないのです。

信号待ちもご愛嬌。
浅間神社の境内で、記念撮影。

スナップ好きの私は端から撮る。
絵馬奉納神事。

大使館のアリサたんは物珍しそうに真正面から
鏡でも何でもパシャパシャ撮りまくっていたが、
さすがに日本人の私には真似ができない。
社殿の中では、このアングルが限界だった。

今度ワット・プラケオのエメラルド仏を激写してまいります

と、裏手の八千矛の神様に報復を誓う。
四時過ぎ。総領事が大阪へ引き上げると
モンコン領事はかねてからお気に入りだった
張り子の象さんにのぼってポーズをきめる。


雨もとうとう降り出すことなく、祭りは成功だった。


すべてが終わり、中島国際寮に引き揚げる道すがら
夜空をあおいで、

♪ 友よ〜見てくれ〜 あ〜の凪いだ〜 駿河湾の〜 北斗星元歌

気分よく唄っていたら、天が抜け、土砂降りになった。


よくわからん混成部隊の関係者で記念撮影。

遠征に応じてくださったサラ組の皆様にも、ひたすら感謝。

あくる日の毎日新聞静岡版によると、
来場者は二万人。

…そんなに来ていたとは知らなかった。



後日談
まつりからちょうど二ヶ月が経過した12月9日。

佐藤さんと吉沢さん、鈴木さん(旦那)が上京。
目黒(品川区大崎)のタイ大使館を訪問する。
まつり当日は大使館側から会場入りしていた
ナーナバーン一等書記官と、アリサたんを通訳に、
対談すること二時間余り。

これからの協力関係が申し合わされる。


 年が明けて平成18年1月26日

 佐藤理事長は大阪総領事館を訪問し、スポット総領事と会見。

 東京の大使館と大阪の総領事館双方の名誉を尊重しつつ、夢門前の着実な発展をはかる理事長は、タイ外交の真髄を会得されたかのようであった。





 時系列は遡るが、まつりから十日を待たず、静岡県立総合病院に入院していた静岡市議(葵区選出)で、呉服の織平主人、片山卓さんが逝去。

 写真は五月。モンコン領事が静岡を偵察に訪れた際、撮影したもの。


合掌  





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