蕪島は面積1.8ha。最高点17m・・・と、駅の観光案内に書いてあった。もともと海中の小島だったそうだが、昭和に入ってから埋め立てが行われ、本土と地続きになったという。

 かっぱえびせんを買い求め、景気よく全部ぶちまける。・・・するとどうだろう、はるか彼方の空を旋回していた何百というウミネコが、すさまじい勢いで殺到してきた。その啼き声たるや、なるほど「海のネコ」。しかも発情期の・・・鳥さんたちは貪婪な食欲だった。ものの二十秒で、路面に散らかったえびせんはすっかり消えていた。
 面白いので、もう一袋買い求め、あらためてぶちまける。・・・こりゃ、ハマるわな。
 おいらを案内してくれた三八五タクシーのドライバー氏は、「糞をかけられちゃうんですよ」と言って、すばやく現場を離れていった。


八戸小唄の歌碑


頂からの漁港の眺め

蕪島は厳島神社の分社である

 ここいらへんの漁師さんたちは、船出するとき、この海神を祀ったお社に参るらしい。如何にも演歌の世界に描かれそうな風情がある。


八戸の町を遠望してみる

八戸線から見た蕪島

 なんやかんやと遊んで、ちょっとだけ仕事をして、種市駅からほど近いステラマリンにチェックインた頃は、だいぶあたりが暗くなっていた。
 以前来た時、町にビジネスホテルがないため転がり込んだところ、えらい穴場で、とにかくラドン鉱泉は入り放題、ホヤやウニを使った料理は美味く、宿泊用の部屋からの眺め(左手/北側)はこの通り・・・密漁監視小屋の存在が渋い。
 食い意地が張っているのは蕪島のウミネコばかりじゃない。おいらも入浴を挟み、チェックイン直後とレストランの閉店間際、都合二回の夕食を採った次第である。

磯ラーメン

うにたま丼


朝、正面の水平線からあがる日の出で目が覚めた。

 バルコニーから右手(南側)を見る。
 すがすがしい気分でご出勤。「おはよう、ダイちゃん!・・・しかし、てめえ、何者なんだよ?」。種市町のマスコットだが、おいらてっきりウニの妖精とばかり思っていたけれど、どうやら単なるダイバーみたいだね。
 ディズニーがデザインしたのだろうか。あまり可愛くない。

プリウスのタクシーは珍しい

車窓風景


陸中八木駅

 ここが現場。
 人口の少ない寂しい土地の個人商店には違いないが、こちらのお店は「うげ(有家)っ」とひるむほど、よく売れる。
 とどのつまり、お世辞抜きで社長夫妻がクレーバーなのである。固定観念に凝り固まったよそと違って、研究に余念がない。そうした努力と心がけは、売り上げに直結している。


写真が小さくて見にくいが、ハルサーも置いている・・・


 ステラマリンのフロントの課長さんから「鉄道マニア」と思われていたようだ。丸っこいふやけた野郎が、カメラを持って一人旅してりゃ無理もなかろうが、ジレッタントのはしくれとして、この誤解は妙に嬉しかった。
 それでもって、陸中八木に撤去間近の棒踏み切りがあると教わった。この踏切が残るJR路線は、いまや全国で八戸線のここだけとか。
 うちの地元にだって「有名な踏み切り」くらいあるけれど、ここは変な対抗意識を燃やすより、素直に見学しておくことにした。
 そうするうちに、八戸行きのキハ40系が件の踏切を横切って入線してきた・・・ちくしょー、デジカメなんかじゃなく、数十万円の銀塩カメラとごっつい三脚で撮ってりゃ名実共に鉄っちゃんたりえたのにな〜。 




次週は近場の伊豆下田。今回は以上をもって、ひとまず東京へ引き上げる。



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