掩体壕跡?

 6時の約束だった。

 前夜、東小金井のフォトリバースに寄ったところ、オーナーの秋保さんに、奇妙な構造物の写真を見せられた。
 つい一昨日まで森だった調布飛行場の隣接地が、いきなり現れたユンボに整地され、古いコンクリートでできたカマボコ型の代物が出て来た。

 戦闘機の格納庫じゃないか?年配のご常連さんたちは口々に言うけれど、この方がたとて物心がついた頃には戦争は終わっている。条件は私とさして違わなかった。

 …とりあえず、あらためて秋保さんと現地を検分することにした。
 

 二枚橋のゴミ焼却炉。

 家を五時に出て、ここまで来るのに40分かかっていた。
 写真を撮りながらなので、けっこう時間がかかってしまったのだ。

 で、この焼却場。写真じゃショボいが、実際の夜景はもっと渋い。
 ブレードランナーと言うより、シンドラーのリストの風情である。

 ショートカットで、野川公園を斜めに横切る。

 はじめ、自分が変質者と思われないかと心配したが、むしろ、いきなり木の陰からセクシーな黒人のオカマが、「二時間45ドルに負けとくわよん」とか言って現れそうな雰囲気だった。

野川公園を抜け切った頃、空には黎明がさしていた。

 調布飛行場はまだ眠りの底にあった。

 堆土の上で会う約束をしていたが…

…堆土はたくさんあった。

とりあえず、池のほとり、

狙撃しやすい位置に佇み、発見されるのを待つ。


ちなみに池に映るのは都が設置した烏の檻

7時台になって、ようやく

秋保さんと合流した。

林の中に、
ナウシカに出てくるオームの抜け殻みたいなのがあった。

 まぎれもなく大東亜戦争の時の掩体壕だった。
 いかに戦闘機であっても、三式戦闘機はでかい機体である。この高さではエンジンも入らないだろう。
 囲っている金網には雑草が絡んでいる。手前の石の山といい、明らかに管理者が、世間から隠匿しようとしていたことが伺えた。
 

 別の壕には最近まで人が住んでいた痕跡もある。

 店を開けなければならない秋保さんは先に帰っていった。

しばらく動きの無い調布飛行場を見物し、帰路に着く

 龍源寺

一年くらい前に撮影したものだが、
近藤勇の胸像と墓所(一基だけ花が供えられている)…


野川公園北側

…あの土盛りも怪しい


 二枚橋の煙突は、普通の、小金井以外の周辺自治体から運営を見放された生々しい現実を背負うゴミ焼却所にもどっていた。


 さて、さしあたって調布の同志に働きかけ、そのイラストと「調布」のロゴを入れたTシャツでも作って掩体壕の保存運動でも盛り上げるとするか…





ご 近 所 徘 徊
元気です 萌え〜る緑のしょうがねい市


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