People's Republic of Bangladesh
ダッカ独立記念塔
記念碑をドイツ人に作らせた、ってのが情けないが、
バングラデシュの独立戦争は、自分たちの言葉、すなわち言霊を
大切にする民族にとって、学ぶべき点の多い事件だったように思う。
東パキスタンの時代、西のカラチ政府に「押し付けられた」ウルドゥ語に
ダッカ大学の学生たちが、立ち向かい、殺された。
このオブジェの裾野をなす12本のヒダは、最初に犠牲となった12人の学生を意味する。
バングラデシュでは、議論が多すぎて、仕事が進まない。
言い換えれば、各自が自論を持ち、容易に妥協しないのだ。
ひとりひとりが考え方を持つ国は、経済発展が滞る。
結論を急いでしまえば、
経済大国が民主主義国家を兼ねることは、不可能。
反対に、民主主義を追求すれば、経済の繁栄は諦める必要がある。
皮肉な言い方をすれば、
バングラデシュは、アジアで最も民主主義に近い国だろう。
仕事じゃ、いつも腹を立てているが、
俺は必ずしもこの国の人間が嫌いというわけではない。
ダッカの憂鬱